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令和5年度「近江楽座プロジェクト」審査結果発表

             
2023年6月1日(木) 更新

スチューデントファーム「近江楽座」―まち・むら・くらしふれあい工舎―は、「地域に根ざし、地域に学び、地域に貢献する」をコンセプトに、滋賀県立大学が全学的に取り組んでいる独自の教育プログラムです。

平成16年度の文部科学省の現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に採択され、3年間の取組を経て、平成19年度から本学独自の予算で運営しています。この間、多くの地域で、地域の人たちに支えられ、活動フィールドや拠点を拡げ、様々な活動を展開しています。これまでの19年間で延べ426のプロジェクトが活動し、参加した学生は延べ約9,500名になります。

本年度は、近江楽座が20年目を迎えます。新型コロナウイルス感染拡大防止にかかる活動制限がなくなり、コロナ禍で見えてきた課題や取組を踏まえて、新たな一歩を踏み出す年になります。

募集する活動については、すべてSDGsとの関わりを意識し、SDGsの考え方や取組を地域や社会に広げていくとともに、地域から始める無駄なエネルギー削減(省エネ)や意識醸成など、地球温暖化防止、CO2ネットゼロ社会の実現に貢献する活動についてのアイデアも求めました。

プロジェクトの募集は、継続活動を対象とした①「継続プロジェクト」、新規活動を対象とした②「新規プロジェクト」、さらに③Sプロジェクトとして、これまでの実績をもとに更なるステップアップをめざす取組で、活動資金の助成は必要としないが、その他の活動支援を希望するものの3つの区分で行いました。その結果、応募件数は21件(継続18(うちSプロ2)、新規3)と、昨年度(24件)より3件減りました。その中には、コロナ禍で充分な活動が行えず、人員不足のため活動に区切りをつけたプロジェクトもあります。

5月27日(土)、全プロジェクトを対象とするプレゼンテーションを3つのセッションに分け、行いました。学生たちは、発表4分、質疑応答3分、合計7分という短い時間で、自分たちの活動目標や内容、意気込み、SDGsとの関わりなどについて熱のこもった発表を行いました。

審査員は5名のうち3名が学内、2名が学外の委員で、長年にわたって農村地域の地域づくりや情報発信を実践されてきた元県職員の方、近江楽座や地域活動の経験が豊富な本学の卒業生にもお願いし、それぞれの活動発表に対して、鋭い質問や丁寧なコメント、評価、アドバイスをいただきました。

「情報発信の方法や外部の巻き込み」や「取組をモデル化するしくみ」、「将来の夢や今後チャレンジしたいこと」、「竹やひょうたんなど、資源としての活用」、「予算計上の仕方」、「自主財源を増やす工夫」、「今、地域で起こっている変化とそのことへの対応」、「地元に寄り添った活動の仕方」、「楽座の団体同士、また他団体や行政との連携」、「先輩たちとの連携」、「製作物の安全性の問題」等のキーワードが出され、今後の活動を考える上で有意義な意見交換が行われました。

最後に、地域の中に入って学生が地域から学び、地域の人たちも学生から学び、まちも学生も共に育っていく、こういうプログラムを20年間続けている、その価値を再確認し、先輩たちがやってきたこと、また後輩たちへつないでいくために、自分たちの活動の今後の方針を再確認するまたとない機会となりました。

プロジェクトの申請書とプレゼンテーションの結果をもとに、引き続き審査会を行い、「安全対策(基本)」を確認し、「1.地域志向性」、「2.発信性」、「3.実現性」、「4.発展性」、「5.未来志向性」の5つの視点から評価し、限られた予算を有効に活用できるよう厳正に審議し、別掲の20件を本年度の「近江楽座」のプロジェクトとして採択することにしました。なお、残り1件については、継続審議とし、補足資料をもとに後日、再審査することになりました。

今回のプレゼンテーションと審査会を通じて、次の7つのことが確認されました。是非、実践してください。

  • 安全確保を充分に行い、事故を防止する。無理をしない。
  • コロナ禍で見えてきた課題や取組を踏まえ、やるべきことを実践する。
  • 地域との信頼関係を築く。自分たちの思いを大事にして、主体的に活動する。
  • 事業収支やデータを押さえ、効果や成果をきちんと出していく。
  • 楽座同士で連携を図る。他団体とも連携して、自分たちの取組を地域や社会に広げていく。
  • 活動のミッション、ビジョンを確認し、メンバーで共有し引き継いでいく。
  • 活動の積極的な情報発信を行う。

これから本年度の活動がスタートします。新型コロナウイルスの感染拡大防止の取組を継続しながら、交流や対面でしかできない活動を充実させていく。新しい活動のスタイルをつくっていってください。

みなさんの取組が今後、大学が地域と関わる活動の新しいモデルになっていきます。学生のみなさんの行動力や斬新なアイデアを生かして、大学と地域をつなぐ担い手として、それぞれの活動に取り組まれ、近江楽座が更に発展することを期待しています。

令和5年6月1日

令和5年度「近江楽座」Aプロジェクト選定委員会  近江楽座専門委員会


採択されたチームの代表者様

予算執行など、活動説明会を6月5日(月)12:30~13:00、交流センター研修室1~3で開催しますので、必ず参加して下さい。

 


令和5年度「近江楽座」
全体講評・採択プロジェクト一覧

 

 ➡️   令和5年度 近江楽座 公開プレゼンテーションならびに審査結果  全体講評(pdf)

➡️ ◎令和5年度 採択プロジェクト一覧(pdf)